ゲーム開発のプランナーとして働いていれば、必ず以下の資料を作る必要があります。
- どんな仕組みのゲームを作るかまとめる仕様書
- 実際のゲーム画面や挙動をまとめた画面仕様書
- 何を条件に指定した処理をするのかまとめたフローチャート
- 新たなゲーム開発を認めてもらうための企画書
新卒や未経験者のプランナーが初めて仕様書、フローチャート、企画書を書いてくださいと言うと、必ず書き方やルールを確認します。
ですが、すべてに決まった書き方やルールは存在してないのが事実です。
正しく言えば、既に会社の人が用意した独自フォーマット、資料を見る相手にとって見やすいフォーマットが会社ごとに決まっているでしょう。
特にフローチャートと仕様書については会社独自のフォーマットになりがちです。
それなのに
- 先輩や上司が忙しくて、書き方をなかなか教えてくれない
- 「気にせず自由に書いていいよ」と言われて逆にどう書けばいいか悩んでいる
- 「適当なフローチャートを真似して書いて」と言われても、分からない
と教えてくれない、適当にやってと言われても困ってしまうでしょう。
そのため、泣く泣くネットで「ゲーム フローチャート 書き方」というような検索をしても、書き方やルールが多く存在するため、何を参考にすればいいか悩んでしまうことも事実です。
そこで今回は鶴が6年半ゲームプランナーとして働き、フローチャートを書いてきた経験をもとに
- フローチャートの書き方やルールについて解説
- フローチャートは何を使って書けばいいか
- フローチャートを書くうえで意識する点
をまとめたいと思います。
フローチャートの書き方などに悩んでいる新卒、未経験者のプランナーの参考になればと思っています。
それでは解説します!
ゲーム開発で書くフローチャート記号はシンプル
ネットで「フローチャート 書き方」と検索すると、フローチャートで使う記号について説明が出てきます。
ですが鶴が今まで務めたり短期間だけ出向した会社も併せて、上記の記号をすべて使ったことは一度もありません。
使ったことがあるのは、最大で以下4つだけです。
処理:どんなことをするのか一言で書く
判断:条件がある処理を書く。YESかNOで分岐する文言で書く
(ループ:同じ処理を繰り返す場合に簡略化して書くために稀に使う)
- 処理・判断の2つセットだけ
- 端子・処理・分岐の3つセット
- 端子・処理・分岐・ループも含めた4つセット
3種類のいずれかでした。
記号が少ない理由は、どんな処理と何が判断条件か分かればいいから
ゲーム開発などで書きまとめるフローチャートは、プログラマーにどんな流れでどこに条件や処理が入るのかを伝えるための資料です。
フローチャートの記号の種類はいくらかありますが、ゲームのフローチャートを書くうえでは使う機会がありません。
そのため使う記号が少なくなるのです。
記号よりも矢印や色で独自ルールが多い
それよりも厄介なのは、記号や矢印に使う色や矢印の書き方に独自ルールが多いというところでしょうか。
ゲーム開発のフローチャートで全体のものを書こうとすると、ゲームのジャンルにもよりますが、非常に長いです。
長いフローチャートでは見返すのが大変なので、見やすさを意識します。
- 記号の色を付けて見やすくしたり
- 条件の矢印でYESなら赤・NOなら青にしたり
- 処理の途中で、前の処理に戻るなら矢印か内部リンクを貼って戻したり
最初にフォーマットを作った人、フローチャートを作る人によってルールがあります。
長いフローチャートは1人で作るのは時間もかかるし、他のフローチャートも考慮しながら作るので大変です。
そのため長い全体的なフローチャートは分担して作成することも間々あります。
ですが人それぞれ独自のルールで書いてしまうと、見返す時に混乱する恐れがあります。
なので、長い全体的なフローチャートを書く際には独自ルールを理解して対応するのがよいです。
フローチャートは何を使って書けばいいか
フローチャートを書く際に使うツールも会社によって異なります。
ですが、大体はMicrosoftのExcelがほとんどでしょう。(これ以降はエクセルで記述します)
基本的にゲームプランナーが使うパソコンはMicrosoftが必ず入ってます。
またMicrosoftで一度作ってしまえば、PDFに変換してMicrosoftのエクセルが入ってなくても見ることができます。
互換性の問題でも一番楽に対応できるからです。
ただし、エクセルもバージョンによって使える機能が異なるため、互換性の問題もあります。
その点で考えると、ネット上にあるフリーのツールを使い、html形式のデータでネット上で同じものを確認するという方法もあります。
結論としてはMicrosoftのエクセルがフローチャートを書くうえでは、ほとんどと言っていいほど使うものと思っていただければと思います。
フローチャートは左上書くと見やすく、まとめやすい
では実際にエクセルでフローチャートを書く際のコツなどはあるのかについても解説します。
人それぞれだったり、長いフローチャートによってはあうあわないもありますが。
鶴の体感としては、左上から書きまとめると比較的きれいにまとまりやすいです。
フローチャートは長く書いていくと下に処理がたくさん記述されていきます。
エクセルの真ん中らへんから書いていくと、見た目のバランスを調整するときに確認がしにくくなります。
左上から始めれば、左上から右下に広げていけばいいので比較的調整しやすいのです。
フローチャートを書く時に意識すべき点
フローチャートの書き方やルールを踏まえたうえで、フローチャートを書く際に意識してほしい点があります。
それは素早く書きまとめること、エクセルなどのツールで書くなら互換性を気にするという点です。
フローチャートは素早く書きまとめよう
フローチャートはプログラマーにどんな流れでどこに条件や処理が入るのかを伝えるための資料です。
つまりフローチャートがなければ、プランナーが思っているようなプログラムを書くことができないのです。
上記のように説明すると、逆に精密な資料じゃないとプログラマーに理解してもらえないのではと思い、時間をかけて作業をしがちになる新卒・未経験者が多いです。
ですが鶴の体感として補足説明すると。
フローチャートはぶっちゃけ全体が分かれば、多少処理が抜けてても問題ないと思ってます。
極論を言ってしまうと、仕様書やフローチャートを書いたとしても実際のプログラムを動かして見つかる問題や不足している点が見えてきます。
仕様書やフローチャートだけでは見えない問題が、どうしてもあるのです。
またプログラムをいったん動くところまで作って確認してみたら、最初に書いたフローチャートが間違っていたなんてこともよくあります。
そのため、几帳面に書くよりもイメージが伝わる程度を意識して書く方が素早くできます。
またイメージが伝われば、資料がなくてもプログラムが作れるので作業が早く進むというメリットもあります。
互換性を気にする
フローチャートはエクセルでほとんど書くことが多いですが、そのうえで最も厄介なのが互換性です。
エクセルはバージョンがいくつか存在しているのですが、古いバージョンで新しいバージョンのものを開こうとするとフローチャートが崩れていたりといった問題がたまにあります。
運悪くたまにだったなら、問題ないですが毎回崩れるといったことになると資料を確認するのが面倒になります。
そのため、互換性を気にするという点で、バージョンによって
- 存在する・しないがある関数や機能は極力使わない
- 色合いも変わるので使う色を極力原色やシンプルなものにする
といったことを意識すると、プログラマーがフローチャートを見ることに手間がなくなり、作業も早くなります。
さいごに
以上が鶴が今まで体感したゲーム開発で使うフローチャートの書き方やルールでした。
フローチャートも会社や人によって書き方があるので、あくまで今回は汎用的な最低限の解説です。
またフローチャートの目的はあくまでプログラマーにどんな仕組みなのかと、処理と条件は何かを伝えるためです。
そのため、見やすさを意識すれば問題ないので厳格にやる必要はありません。
最低限ルールを知って、たくさんフローチャートを書いていけば、見やすくて綺麗なフローチャートを書けるでしょう。
それでは、また~!
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